建物の規模や用途、ご計画地に応じて防耐火性能が求められます。
木造でも耐火建築物に対応した仕様で都心部で高層建築に採用されています。
このページでは、木を現しで計画できる準耐火建築での仕様についてご紹介します。
日本の建物には、火災を想定した厳しい防耐火に関する法律が定められています。 その目的は、建物で暮らしている人、利用している人が安全に避難できることです。 屋内から建物の外に避難する間に、火災が大きくならないこと、建物が壊れないことが求められます。 建物の階数が高いと避難するのに時間がかかるため、より高い防耐火性能が求められます。 建物の規模や用途、計画地に応じて建物は「その他建築物」「準耐火建築物」「耐火建築物」に分けられ、それぞれに防耐火性能が求められます。
建築基準法では、建設地の防火地域指定や建物規模・用途により、建築物の防耐火上の構造制限がなされています。 大規模な木造建築物等については、特殊建築物に限らず、高さ16mを超える、または4階以上のもの、延床面積が3,000㎡を超えるものは、 主要構造部を耐火構造とすることが義務付けられています。 耐火構造の場合、柱・梁・壁に耐火被覆が必要となるため、木を現しにすることは出来なくなります。
木造の準耐火建築では、強化石膏ボード等の不燃材で構造部分を被覆する必要がありますが、木が見えなくなってしまいます。 木は鉄骨に比べ耐熱温度が高く、燃え進むのにある一定の時間がかかります。 その特性を活かした“燃え代設計”で計画することで、木が見える状態で準耐火建築が可能です。 火災時に燃える部分を予め見込んだ断面設計を行い、火災時に建物が一定時間、倒壊しないようにするのです。
各主要構造部を防火被膜や燃え代設計で準耐火性能を持たせるのと同様に、壁や天井にも防火被膜を施す必要があります。 構造部と同様に〔非損傷性〕〔遮熱性〕〔遮炎性〕の3性能が必要となりますが、一般的な準耐火構造は通称「45分準耐火」と言われ、主要構造部が45分間倒壊しない性能を有します。 3階建てや防火区画が必要な場合、1時間(60分準耐火)の場合がありますが、延焼のおそれの無い外壁と天井部分は30分の性能で対応できます。