大断面集成材とは?特徴やメリットを解説

大断面集成材とは?特徴やメリットを解説

近年、木造建築技術の進歩と共に、大断面集成材と呼ばれる木材が注目を集めています。 自由度の高い設計や、環境に優しい建築を実現する可能性を秘めた革新的な素材です。 この記事では、大断面集成材の特徴やメリットについて詳しく解説します。 木造で、倉庫や事務所、店舗、工場などの建設を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

大断面集成材とは?特徴やメリットを解説

大断面集成材とは?特徴やメリットを解説

構造用集成材は、その断面サイズの大きさで小断面集成材、中断面集成材、そして大断面集成材の3種類あります。 大断面集成材のサイズは、短辺150mm以上断面積300㎠以上のものです。 物件ごと構造計算により断面寸法を設定して特注で製造されます。 集成材は日本農林規格で定められており、下記のような特徴があります。

● 大型木造施設に使用される
● 乾燥・加圧して製造する
● 工場生産で均一に仕上がる
● 耐用年数が長い

大断面集成材のメリットとともに詳しく見ていきましょう。
参照:構造用集成材の日本農林規格

大型木造施設に使用される

大断面集成材は、体育館や学校、近年では都内で混構造による木造ビルなどの大型木造施設に使用されています。 大断面集成材は、強度性能、耐火性能、耐久性に優れているためです。 強度のある大断面の柱を使用することで、鉄骨造と同じように高い天井や広い空間設計が可能です。

乾燥・加圧して製造する

大断面集成材は、原料となる丸太から2〜5cm程度の厚さに切り出したのち、含水率8~15%までに乾燥させます。 その後、接着剤を塗布し加圧します。十分に乾燥させたひき板を接着するため、製造後の狂いが少なく、断面寸法が安定するのがメリットです。 また、乾燥・加圧処理によって木材内部の隙間がなくなり、腐朽菌やカビなどが発生しにくくなります。 接着剤には防水性に優れたものが使用されているため、雨や湿度の高い環境でも安心して使用できます。

工場生産で均一に仕上がる

工場で生産されるため均一な仕上がりとなり、品質が安定しないといった木材の弱点をカバーしてくれます。 また、幅、厚さ、長さなど、サイズの自由度も高いのが特徴です。 必要なサイズを必要なだけ生産でき、現場における加工の手間が省けます。 廃材が少量で済む、工期の短縮につながるなど、コスト面でも無駄がありません。

耐用年数が長い

集成材の耐用年数は70~100年といわれています。 ただし、集成材は1950年代に製造され始めたため、耐久性に関するデータがまだ整っていない状況です。 おそらく、木材より接着剤のほうが耐久性が低いと言われています。 よって、集成材の耐用年数は接着剤によって決まるといえるでしょう。

大断面集成材のメリット

大断面集成材のメリット

大断面集成材のメリットを以下の5つにまとめました。

● 無垢材の1.5倍の強度がある
● 断熱性・吸音性・吸湿性が高い
● 耐火の燃え代設計が計画できる
● 形状の自由度が高い
● 大スパンの建築ができる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

無垢材の1.5倍の強度がある

天然の無垢材と比べ、集成材は衝撃などに強いと言われています。 乾燥装置を用いて含水率を8~15%以下になるまで乾燥させ、狂い・割れ・反りの防止を図るためです。 最後にプレスしているため、ムク材に有りがちな割れ、反り・曲がり、ねじれなどが生じにくいのもメリットです。 それでいて、木材の持つ美しさも楽しめます。

木材を接着することで、天然木の1.5倍以上の強度を生み出せるともいわれています。 鉄筋コンクリートや鋼材と同等の強度を持つものもあり、大規模な建築物や長大スパンの構造にも安心して使用できます。

断熱性・吸音性・吸湿性が高い

断熱性・吸音性・吸湿性が高い
画像引用:日本木材総合情報センター

集成材には、人間の可聴範囲の中で不快な高音部、低音部を吸収する働きがあります。 また、断熱性が高いため、夏の外気の暑さが伝わりにくく、冬は内部の温かさが逃げにくいのも特徴です。 吸湿性が高いことから、結露ができにくく、商品や食品の保管などにも適しています。

耐火の燃え代設計が計画できる

木材の断面が大きいとゆっくりと燃える、という特性を生かし、燃え方を制御することで火災に対する安全性を一定確保できます。

形状の自由度が高い

断面の寸法と形状を自由に作れるのも特徴です。 寸法・形状・性能に合わせた製造が可能なため、一般木材では難しい、長尺・アーチ・3次元のような任意のデザインにも対応できます。 建築空間の美しさを追求したり、機能的なデザインを取り入れたりと、木のよさを前面に出しつつ複雑なデザインが可能です。

大スパンの建築ができる

10m以上の大スパンを実現させるためには、柱、間仕切を少なくする必要があります。 通常の木造建築であれば、柱や梁を多く設けることで強度を保ちます。 その点、大断面集成材を使用すれば、接合部が少なく済み、柱がなくても大スパンの空間を建設できるのです。

大断面集成材の建築例

大断面集成材の建築例
大断面集成材の建築例
大断面集成材の建築例

大スパン建築は「PREST WOOD」にお任せください

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