金物工法とは?メリット・デメリットを解説|在来軸組工法との比較も

金物工法とは?メリット・デメリットを解説|在来軸組工法との比較も

金物工法は、従来の軸組工法とは異なり、木材の接合部分に金物を使用します。 接合部に耐力があり、断面欠損も少ないことから、木造建築においてシェアも増加傾向です。 この記事では、金物工法の特徴や在来軸組工法との違いについて解説します。 メリット・デメリットについても紹介するので、事務所や倉庫の建築で金物工法を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

金物工法とは

金物工法とは

金物工法の特徴と在来軸組み工法との違いを以下で解説します。

金物工法の特徴

「金物工法」とは、金物を使って仕口や継手を行ない、組み立てていく木造軸組工法のうちのひとつです。 木材を深く掘り削ることなく、特殊な金物で接合していきます。接合部の欠損が少ないため、構造耐力が高くなるのが特徴です。

金物により木材の接合部が強くなり、地震などの横揺れに強い構造です。 また、プレカットされた木材と金物を使用するため、現場での作業時間が短く、結果的に工期短縮に繋がります。

在来軸組み工法との違い

在来軸組み工法は、日本に昔から伝わる伝統的な工法です。 梁と柱で建物を支える(軸組みで支える)構造であることから「軸組工法」「在来工法」などとよばれています。 日本の木造住宅の多くは在来軸組み工法で作られており、金物工法との違いは、継手や仕口の代わりに金物を使っている点です。

従来の木造軸組工法(在来軸組工法)を、金物工法と比べた場合の違いを以下の表にまとめました。

項目金物工法在来軸組工法
接合方法金物ほぞ穴加工、羽子板ボルトなど
強度高い低い
工期短い長い
大空間の設計可能難しい
廃材少ない多い
外観金物が外に露出しない木材だけであればかみ合わせが美しい
接合部の補強などに金物が見える場合がある

昔ながらの軸組工法は、継手や仕口に多くの種類があり複雑です。 かみ合わせが美しく芸術的ですが、手作業で行うため熟練の技術が必要だといえます。 近年は、その技術を持つ大工も減っており、技術継承の問題もあるのです。

金物工法のメリット

金物工法のメリット

金物工法のメリットを以下の4つにまとめました。

● 工期が短い
● 廃材が少ない
● 広いスパンが計画しやすい
● 耐震性が高い

それぞれ詳しく見ていきましょう。

工期が短い

あらかじめ柱・梁に金物を取り付けた状態で出荷するため、現場での作業が最小ですみます。 現地では、躯体を組み上げドリフトピンを打つだけの状態です。 そのため、スピーディに建設が進み工期も短くすみます。

廃材が少ない

プレカットされた木材のため、現場で木材を削る必要がありません。 工場で効率よく加工ができるため、出る廃材も少なくすみます。 結果的に、環境への負荷を抑える効果があり、コスト削減にもつながるでしょう。

広いスパンが計画しやすい

金物でしっかり接合しているため、広いスパンの設計が可能です。 住宅であれば吹き抜けや開放感のあるリビングなど、倉庫や事務所であれば中間柱のない設計・建築ができます。

耐震性が高い

柱の結合部(仕口部)の木材欠損率を比較してみると、軸組工法約60%に対し、金物工法は約15%と言われています。 在来軸組工法と比べ柱の断面欠損が少ない金物工法は、横揺れに強く、地震にも強い構造として注目されています。

金物工法のデメリット

金物工法のデメリット

金物工法のデメリットは、「金物分がコストアップする」という点です。以下で詳しく解説します。

金物分がコストアップする

在来軸組み工法であれば木材のみだった材料に対し、金物工法は金物分がコストアップします。 構造計算や製造の手間もコストに上乗せされるため、シンプルな在来軸組み工法に比べ、さまざまな費用がプラスになる場合があります。

金物工法による大規模木造建築なら「PREST WOOD」にお任せください

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金物工法は、高い耐震性、短い工期、大空間設計の自由度など、多くのメリットを持つ工法です。 設計には専門知識が必要ですが、在来軸組み工法に代わる工法として注目されています。 PREST WOODでは、金物工法を利用したATAハイブリッド構法を採用。 大スパンの倉庫や商業施設、中間柱の無い事務所の建設を得意としています。 耐震性の高い木造建築の倉庫や商業施設、中間柱の無い事務所を検討中の事業者様は、お気軽にお問い合わせください。

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