快適なオフィス環境は、社員の労働意欲を向上させるというアンケート結果が出ています。
同アンケートによると、オフィスに満足している社員のうち87%は仕事が面白いと感じており、オフィスに不満がある社員と比べ、モチベーションの差が大きいことが分かっています。
この結果から、オフィス環境が労働社員の意欲の向上は大きな関連性があるといえます。
参照:「スターツコーポレートサービス株式会社によるアンケート」
そこで、この記事では、オフィス環境の重要性と改善策について解説します。
オフィス環境の改善に取り組みたいという方は、ぜひ参考にしてください。
オフィス環境改善が重要である理由
オフィス環境の改善が企業にとってなぜ重要なのかについて、解説します。
● 労働衛生基準の改正
● 採用に影響する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
労働衛生基準の改正
令和3年12月1日に「事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第188号)」が公布されました。 1日の約3分の1を過ごす職場は、生活の場のひとつと考え、衛生面で快適である必要があるといった考えをもとにしています。 見直しのおもな項目は、以下のとおりです。
照度 |
一般的な事務作業:300ルクス以上 付随的な事務作業:150ルクス以上 |
---|---|
便所 |
壁で囲まれ内側から施錠できる 上部や下部が空いておらず、全方向囲まれていること バリアフリートイレの設置 |
休養室 |
随時利用できる 男女に分ける 通路から直視されないよう目隠しを設ける 関係者以外の出入りを制限する |
休憩の設備 | ニーズに応じて |
更衣室・シャワー設備 |
性別を問わず安全に利用できる プライバシーの確保に配慮 |
温度 | 18度以上28度以下 |
CO・CO2含有量 | 測定器で測る |
救急用具 | 備えるべき救急用具は各職場で検討する |
参照:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署
上記のような基準をもとに、社員が快適に過ごせるように職場環境配慮義務を企業は負っているのです。
企業は、その基準を遵守しなければなりません。
違反が認められた場合、違反の種類や程度によっては6か月以下の懲役または50万円以下の罰則が科せられる可能性があります。
採用に影響する
参照:株式会社アーバンプラン「就活生の企業選びの基準と採用に向けた企業側の対策」に関する調査
就職活動就活生を対象に行ったアンケートによれば、企業選びにおいてオフィスを重視していると答えたのは86%でした。
また、労働条件(賃金、労働時間)よりも労働環境(人、オフィス)のほうを重視しているという結果もでており、採用にはオフィス環境が大きく影響することがうかがえます。
オフィス環境が生産性に与える影響とは
オフィス環境が生産性に与える影響は、おもに以下の3つです。
● 作業効率
● ストレス
● コミュニケーション
それぞれ詳しく見ていきましょう。
作業効率
アスクルのアンケートによれば、「オフィス環境はあなたの仕事に影響を与えますか?」の項目に98%がYESと答えています。
そして、現在のオフィスに「とても満足」しているのは、わずか6.8%でした。
そしてオフィス環境の良さは、モチベーションや身体面・精神面に大きく影響するという結果も出ており、作業効率への影響も無視できません。
オフィス環境への不満は人間関係が最も多いものの、レイアウトや家具、デスクの配置などへの不満も見られました。
「空間に余裕がなく、人の増減と共に大規模な模様替えが頻発し、業務に差し支える」
「座席の後ろのスペースが狭い。目一杯椅子を引いている人がいると、身体を横にしないと通れない」
などの意見もあり、快適なオフィス環境はモチベーションや作業効率に一定影響するといえます。
参照:みんなの仕事場「こんなオフィスは嫌だ!」
ストレス
社員がオフィスのどのような点に不満を持っているかについて見てみましょう。
株式会社ワークのアンケートによれば、オフィスへの不満の4割は「フロアが狭い」でした。
次いで「休憩スペースがない・狭い」や「レイアウトや導線が悪い」「収納スペースがない・少ない」「自席のスペースが狭い」など、おもにスペースへのストレスを感じています。
また、以下のグラフにおいて「身体面や精神面における健康」の項目も無視できません。
オフィス環境はの良し悪しは心身に影響をあたえることから、よりよい環境づくりを目指すことは重要だといえます。
画像引用、参照:株式会社WORK「アフターコロナのオフィス環境に関する調査」
コミュニケーション
オフィス環境は、人間関係にも影響を与えます。 他部署の社員同士が交流を深められる環境をつくれば、情報共有が活性化され、会社全体での取り組みがやりやすくなります。 コミュニケーションが活発となり、企業への帰属意識が強くなれば、離職率の低下にもつながるでしょう。
オフィス環境の改善策
オフィス環境の改善策として、以下の5つを紹介します。
● レイアウトを最適化する
● 照明を見直す
● 空調を改善する
● 災害対策をする
● 休憩スペースを設置する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
レイアウトを最適化する
パーテーションによって仕切りをいれ、自由にレイアウトを変えられるオフィスがおすすめです。
適宜フロアを仕切れるよう工夫をし、レイアウトを最適化しましょう。
最近は、パーテーションがないワンフロアオフィスが増えています。
コミュニケーションが活性化され、一体感が生まれるといった効果も期待されています。
なかには、自席を決めず、フリーアドレス制にする企業もあるようです。
ただし、打ち合わせや来客時に対応できるよう、作業スペースとは隔離されたスペースも確保するとよいでしょう。
照明を見直す
「事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第188号)」により、職場の照明の基準が変わりました。おもな条件はいかのふたつです。
作業の区分 | 基準 |
---|---|
一般的な事務作業 | 300ルクス以上 |
付随的な事務作業 | 150ルクス以上 |
暗い中の事務作業は、目の健康にも影響します。 照度計で測って、快適な明るさを提供しましょう。
空調を改善する
労働衛生基準の改正前は、エアコンの温度設定は「17度以上28度以下」でした。 それが改正後には、最低温度が一度上がり「18度以上28度以下」となっています。 ただし、人が多く密集している場合や、扉の出入りが多い環境などの場合は室温も上がりやすくなります。 快適な室温となるよう、空調を調整しましょう。
災害対策をする
想定される労働災害のために、必要な用品を備えましょう。 以前は必要な用品リストがありましたが、その具体的な品目は削除されました。 想定される労働災害に対して、必要だと思われる救急用具を検討して、十分な備品を準備しましょう。 その際、安全管理者や衛生管理者、産業医などの意見を参考にしたうえで備品を準備し、備え付け場所や使用方法をまとめたマニュアルも用意しておきましょう。
休憩スペースを設置する
トイレは、上下が完全に壁に覆われている独立個室型にして、プライバシー確保が必要です。 また、バリアフリーへの対応も重要です。 休養室は、社員50人以上(女性30人以上)の企業であれば、男女別に設ける必要があります。 休憩の設備も衛生委員会で調査審議検討して設置しましょう。 更衣室は、性別を問わず安全に利用できるようプライバシーが保たれる空間を設置しましょう。
オフィス環境に関するよくある質問
オフィス環境に関する、よくある質問についてまとめました。
● 良いオフィスの特徴は?
● オフィスに必要なスペースは?
● オフィスを改善するメリットは?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
良いオフィスの特徴は?
社員がストレスに感じている部分を改善するようにしましょう。
とくに狭さや導線の悪さがストレスになっている場合が多いようです。
各種アンケートをもとに分析したところ、以下のような条件がそろうと良いオフィスといえます。
● 業務効率を考慮した作業環境
● スムーズな動線
● コミュニケーションの場を提供
● ミーティングスペースの設置
● 安全やプライバシーの確保
● 距離の確保
会社が提供できるスペースには限りがありますが、余分な柱や壁を撤去してスペースを確保するというのも改善策のひとつかもしれません。
オフィスに必要なスペースは?
法令によると、1人あたり10㎥が必要とされています。
「第2条 事業者は、労働者を常時就業させる室の気積を、設備の占める容積及び床面から4メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者一人について、10立方メートル以上としなければならない。」
引用:e-gov法令検索 事務所衛生基準規則
従業員数に10㎥を掛けた空間が、最低限必要なスペースといえます。
ただし、必要最低限で設置すると急な人員増加などに対応できないため、余裕を持ったスペースを確保しましょう。
オフィスを改善するメリットは?
オフィス環境の良し悪しが、社員のモチベーションに大きく関わっていることがアンケートの結果からもうかがえます。
オフィス環境改善のメリットは、以下のとおりです。
● 作業効率を上げる
● ストレスを減少させる
● パフォーマンスを向上させる
● コミュニケーションが円滑になる
● 帰属意識が芽生える
● 採用にプラスの影響がある
就活生の6割が労働条件よりも労働環境を重視していることから、オフィス環境改善は採用にも大きく関わります。
おしゃれで快適なオフィスであれば社員のモチベーション向上にもつながり、離職率の低下も見込めるでしょう。
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快適なオフィス空間は、社員のモチベーションや作業効率アップに大きく影響します。
とくに広くて開放的なオフィスは、導線の改善や自由なレイアウトに役立つでしょう。
PRESTWOODは、大規模空間を実現できる木造オフィス建設に強みがあります。
中間柱がなくても屋根を支える技術があるため、木造でも10m以上の大スパンを実現できるのです。
木の温かみや香りに包まれ、社員のストレス軽減にもお役立ちいただけるでしょう。
オフィスを新しく建築する、もしくは建て替えを検討の方は、ぜひお問い合わせください。
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